2015年4月25日のPOISON GIRL BANDとコマンダンテのライブ

2015年4月25日(土)に、新宿モリエールにて、「POISON GIRL BANDコマンダンテのライブ」があった。「よしもと春のイベント祭り in 新宿モリエール」というイベントの1演目として行われたライブだ。コマンダンテを東京で観られるということで、とても楽しみにしていた。コマンダンテは、昨年(2014年)、THE MANZAIの認定漫才師お披露目スペシャルで観て以来、とても気になっているコンビ。THE MANZAIワイルドカードにも進出した。(⇒ THE MANZAI ワイルドカード感想記事 ) 活動の拠点が大阪のコンビで、東京でのライブは数少ない。今回私はコマンダンテを初めて生で観た。

ライブの構成は、
・4人でのオープニングトーク
・漫才と、クジ引きで選ばれた二人ずつのトーク(タイマントーク)を交互に計3回披露
・ゲームのコーナー
・エンディング

オープニングトークに少し遅刻したので、一部不明瞭なところがあるけど、この二組はTHE MANZAIワイルドカードからの繋がりだそうだ。この二組のライブは、この東京でのライブの前に、大阪でも一度行っていた。コマンダンテのトークを初めて聞いた。4人とも落ち着いた様子でとても居心地がよい。

漫才と、クジ引きで選ばれた二人ずつのトーク(タイマントーク)というのは、コマンダンテ漫才→POISON GIRL BAND漫才→タイマントーク、という流れ。これを三回行った。タイマントークは、一回目はコマンダンテ石井×POISON GIRL BAND阿部、二回目はコマンダンテ石井×POISON GIRL BAND吉田、三回目はコマンダンテ安田×POISON GIRL BAND吉田。トーク時間もクジ引きで決めるのだけど、それぞれ5分、3分、30秒、くらいだったと思う。かなり短いので、他愛のない話が多かった。石井さんは、吉田さんに「イケメン」と言われるのでキザな台詞がボケにならない(ので芸人として不都合があるというニュアンス)という話、安田さんと吉田さんは新宿へどうやって行くか等、東京と大阪の電車事情の話。石井さんと阿部さんのトークはちょっと思い出せないでいる。

二組の漫才を3本ずつ見ることができた。コマンダンテは一本目・鶴の恩返し、二本目・少年の手術のために野球選手がホームランを打つ、三本目はドラマでよくある「息子の命は助かったんですか?」のシーンをやりたい、という漫才。POISON GIRL BANDは、一本目・なりたかった職業、二本目・歳を取ると色々わからなくなる、三本目・東京五輪で外国人をおもてなし、という漫才。

二組とも三本目がめちゃくちゃ面白かった。コマンダンテの三本目は、病院で緊急手術を終えた医者が「息子の…息子の命は助かったんですか?」と言われるシーンをやりたい、という漫才。そのシーンをやりたい、と言いながらなぜか全くちがうシーンをはじめてしまう…という内容なのだけど、その漫才コントの調子や出来事の日常的なささやかさが面白い。日常的なささやかさの上で徐々に飛躍していく展開もすごく楽しい。漫才コントにも演技の調子が色々あるけど、コマンダンテは普段の口語のテンションを舞台に乗せている。

POISON GIRL BANDの三本目の漫才は、東京五輪で外国人をおもてなしするためにクッキーを焼いた、という漫才。阿部さんがクッキーを焼いた、焼いたクッキーをどうするか、という話に終始するのだけど、それだけで本当に面白い。どちらのコンビも、日常的に有り得そうなレベルからの飛躍の中で会話が行われる。ボケのためのボケ、というよりも、確かにボケ的な台詞ではあるのだけど、その本人があたかも言いそうな説得力がなんだかある。

ゲームのコーナーは、コンビでチームを組んで対決する形式。一つ目は、コンビでそれぞれ目隠し・ヘッドホンをした状態で漫才の導入部分をやって間がピッタリ合うかの対決。なかなか難題のようだったけど、POISON GIRL BANDが圧勝。目隠し・ヘッドホンをすると、視覚も聴覚も遮られるわけだから、誰かに「外していいよ」の合図を受けないと、状況がわからないため外せないんだけど、阿部さんが目隠し・ヘッドホンをつけて直立不動になっている状態が、それだけで可笑しくて、三人にそのまましばらく放置され眺められるというシーンもあった。二つ目はそれぞれにNGワードを設定してジェンガをする対決。安田さんのNGワードは「きれいに置いて」(ややうろ覚え)だったのだけど、吉田さんのNGワード誘導に「ちゃんと置いて」を連発してかなり際どいところで留まっていた。結果、誰もNGワードは発せず、ジェンガはそれぞれ大健闘で、タイムアップで引き分けに。三つ目は「フーフーティッシュバレー」みたいな名前がついた、息で吹き上げたテイッシュをバレーボールに見立てての対決。これはなんだか、マイペースそうな四人が必死に右往左往する様子が可笑しかった。

この二組の組み合わせが好きになった。コマンダンテに関しては、二人がどういう人物なのかもっと知りたい。トークにテーマを設けるなどして時間を使って、もっとしっかり話しているところも聞きたいなと思った。このライブを是非定期的に東京でもやってほしい。