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コマンダンテのライブが楽しかった話(in 神保町花月)

コマンダンテが東京に来た。コマンダンテは大阪を拠点に活動するよしもとの漫才師。NSC大阪校の29期生。東京・神保町花月でのライブが2015年8月23日(日)・24日(月)に行われた。

コマンダンテ2015in神保町」2015年8月23日(日)

漫才数本(5?6?本かな)と、ショートネタ1本、VTR1本、トークのライブ。やっぱり漫才が面白かった。どれも本当に面白くて、繰り返し何度も見ていたい漫才でしたが、特に一つ、心に残ったのがあった。なにに魅力を感じたか、書こうと思ったら、必然的にネタバレしてしまう。どこまでネタバレしていいのか問題に悩みつつ、やっぱり細かく書いてみる。

確かこれは披露してた漫才のなかでも、最後の方の漫才だったと思う。安田さんの「○○がやってみたいのでやらせてほしい」という依頼からはじまる、導入はとてもオーソドックスな漫才。しかしながら、安田さんがやってみるファーストフード店の店員や、街頭のティッシュ配りなど、やってみること全て、予想に反して、きちんとできてしまう。つまり、一般に、漫才の要になるべき、ボケ的なことが起こらない。石井さんは、それに対して、疑問に感じる様子を見せながらも、「普通はおかしなことが起こるもんやけど…」という言い方に留まっている。

そして今度は石井さんが、自分もやってみる、と街頭のティッシュ配りを、「おかしなこと」つまりボケ的な行為のあるティッシュ配りをやってみせる。それに対して、安田さんは「おかしい」「ちゃんとやらな」と真っ当な反応をする。「おかしなこと」が何も起こらない、ということを当然のものとして振舞っていた安田さんの、「おかしい」という反応は、リアリティをもった生々しい反応に感じられる。ああそうか、「ツッコミ」を普段、もはや形式として見ていたけど、そもそもこういう必然性のある反応なんだよな、ということを再認識させられる。

ボケないことがこの漫才でのボケであり、ボケることがこの漫才でのツッコミであるといえるけれど、安田さんは、まるで本当に、日常の中で頼み事を受けてもらえて助かった、とでもいうような当然の自然さでいる。対して石井さんも「漫才なんだから、ボケるものだ」とは決して言い切らず、安田さんの行動に対する当惑のみがある。瞬間的で立ち消えてしまうような、大喜利的面白さのボケを詰め込んで構成されているのではない。ふたりのやりとりそのものに魅力がありおかしさがある。そういう漫才は何度でも繰り返し観たい、と思う。関西に住む人達は、こんな漫才師を劇場で気軽に観ることができるなんて、羨ましいなあ、と思う。

コマンダンテ×吉田たちトークライブ」2015年8月23日(日)

同じ日に、吉田たちという、コマンダンテと同期で、双子の漫才師も神保町花月で単独ライブを行っており、同じく大阪から、今日のライブのために上京した二組での、合同のトークライブ。吉田たちは、私はABCお笑いグランプリで観たことがあるに留まるコンビだったけど、堂々とした振る舞いに安心感があって気になった。大阪を拠点に活動するコンビは、東京でネタを観る機会はあっても、ネタ以外での様子をみられる機会は少ないので、貴重だった。

安田さんは、喋り方や声におおらかさがあり、立ち居振る舞いにとぼけた味わいがあった。それが、説得力がなさそうな雰囲気に繋がって、どこか抜けた印象を持たれそうだと思うけど、発言の内容は、結構自分の価値基準に即した判断がちゃんとある感じがした。ライブでは、観客に開演前に出演者四人の中で誰が一番「モテそうか」「アホそうか」「裏表がありそうか」アンケートをとり、その結果を当てるコーナーがあったけど、安田さんは予想がよく当たっていた。他人から自分の振る舞いがどう観られているか、また、他人をどう観るかということが、鋭いようだった。

石井さんは、落ち着いていて、あまり自己主張するような発言がなかったので、掴みどころがなかった。漫才での振る舞いから推測すると、メタ的視点が強そうで客観視が鋭そう。内省的な性格なんじゃないだろうか。そして繊細そうだなとも思う。繊細さゆえに、このような細かで絶妙な空気感のある漫才が作れるのではないか。コントや演劇で言うなら、微細な点まで行き届く演出力、みたいなものがあるのではないかと思う。と勝手に思う。

「勝手に思う」とわざわざ書いたけど、他人をどう捉えるかなんて、断りを入れるまでもなく全て勝手に思っているにすぎないことではある。

「同期であそぼ」2015年8月24日(月)

大阪勢・コマンダンテ、吉田たち、東京勢・ジェラードン御茶ノ水男子の4組のライブ。それぞれNSC大阪校29期と、NSC東京校12期の同期。大阪勢は背丈が高かった。安田さんがよくボケるので面白かった。

なんにしても、コマンダンテの漫才は、今後も期待せずにはいられないし、東京でのライブは必ず行くつもりです。

以上