読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

10月に劇場で観たもの(2015年10月)

10月3日 『十一ぴきのねこ』こまつ座紀伊國屋サザンシアター
10月8日 うしろシティのライブ(新宿角座
10月12日 ワラインプロ13(新宿V-1)
10月16日 しずると天竺鼠とネタ(ルミネtheよしもと
10月22日 東京コントメン(ユーロライブ )
10月24日 テアトロコントvol.2(ユーロライブ)
10月31日 ORIENTAL RADIO SPECIAL LIVE(ヨシモト∞ホール

※観たものを全て上記に列挙しているわけではありません。

『十一ぴきのねこ』こまつ座

キャストが魅力的だったのでチケットを取った。猫のホテル中村まことさん、市川しんぺーさん、元猫のホテル菅原永二さんという3人が、十一ぴきの”ねこ”で共演するというのがなんだか興味を惹かれた。3人とも、とても好きな俳優。チラシには「子どもとその付添いのためのミュージカル」とあるので、子どもに寄せてあるのかと思いきや、物語のラストで、十一ぴきのねこたちがたどり着いた場所に力を合わせて建てた国の顛末に驚いた。物語の主人公であった、十一ぴきのねこたちは、それぞれ私腹を肥やし、正直なねこは抹殺されるという、とても現実的な、国の内部分裂が描かれた。物語は、「めでたしめでたし」というわけにはいかなかった。子どものための、だからといって、現実を薄いヴェールで隠したような「めでたしめでたし」にならないところが、すごく胸に刺さって好きだった。子どもはまだ、よくわからないのだから、と、良くわからなければ触れなくて良い、ということではなくて、良くわからなくても、触れてみる機会があるというのが、大切なことのように思う。その時にわからなくても、きっと違和感が体験として残るだろうと思う。その体験が記憶に残れば、いつか振り返って腑に落ちたりするだろうと思う。そういう、長い時間をかけて咀嚼していく体験があるのは面白いことだと思う。私は子供時代を振り返って、自分がどうだったか、正確にはわからないけれど、もしかしたら、そもそも、「子どもにはわからない」ということ自体が、子どもの理解力を見くびっていて、誤りなのかもしれないとも思う。

しずると天竺鼠とネタ

しずると天竺鼠がコントを披露して、コントの一つはお互いに台本を交換して上演してみるという面白いライブ。企画のコーナーも予定していたようだけど、コントが長引いて、ナシに。しずるは、今年(2015年)の夏の単独ライブで披露していた、絵に描いたような泥棒が登場するコンビニのコントと、舞台袖に捌けると時間が飛ぶコントと、バイクが盗まれるコント。天竺鼠は、キャッチボールをするスーパーカーのコントと、エアコン修理のコントと、空気椅子でテストを受けるコント。しずるは天竺鼠の空気椅子でテストを受けるコントを、天竺鼠はしずるの絵に描いたような泥棒が登場するコンビニのコントを交換して上演。すっかりしずるが好きで、コントをメインにやるライブや、トークライブは今後もなるべく観る。

東京コントメン

ASH&Dの事務所ライブの東京コントメン、初めて観た。THE GEESEは、2015年5月の単独ライブで披露していた、逆精神と時のカラオケのコント。THE GEESEが歌って踊るのが愉快。ラブレターズは、TV番組・なんでも鑑定団の鑑定士を題材にしたパロディ的コント。鑑定中のシーンでかかるMが度々かかるのが、妙な雰囲気を醸し出していて面白かった。シソンヌは単独ライブ『trois』で披露していた野祭のコント。何回か観ているけれど、今まで観た中で一番面白くて引き込まれた。きっと何度も上演することで、コントが熟してくるとでも言ったらいいのか、演技の熱量に持って行かれた。ジグザグジギーは、居酒屋の新人研修のコント。これは、キングオブコント2015の準決勝でも披露していて、私はこのコントは、宮澤さんの台詞の調子が大好きで、爆笑したコントだけど、やっぱり面白くて好きだった。新人コントメンという枠では、ママスパパスというコンビがとても面白かった。ヘリで逃走しようとする窃盗犯と、警部のやり取りをコントにしたものだが、窃盗犯の決め台詞が、ヘリの飛行音がうるさくて、聞こえない。しかし、窃盗犯と警部は、逃げること・捕まえることは二の次に、お互いの台詞を聞き取ることを再優先になんとかコミュニケーションを図ろうとする…というような、コント。演技が堂々としているし、コントの展開もとても丁寧なつくり。本当に新人なんだろうか。今後も注目していきたいコンビ。

テアトロコントvol.2

『テアトロコント』は渋谷コントセンターが新しく初めた公演。これまでの渋谷コントセンターでの公演の、30分尺という持ち味はそのままに(30分尺が持ち味の渋谷コントセンターについては、過去記事を参照)、演劇ユニットと、コントユニットを競演させた新たな公演。こういうのを待っていたという人は少なからずいそうだと思う。1回目は、ナカゴー、トリコロールケーキ、巨匠、ロビンソンズ。今回は、東葛スポーツ、玉田企画、マッハスピード豪速球、マツモトクラブ。マツモトクラブは、一人ながら、とても演劇的だった。演劇的というのは、どういうことか、よく考えてみたいと思った。マツモトクラブを観る限り、人数の問題ではなさそうだ。並列に観てみると、演技の質の差が、演劇的か否か、左右するようにも思った。玉田企画は、演劇の公演の稽古を行う稽古場の様子をメタ的に描いた30分。演出家の指示が飛んでもない方向へ逸れていくという、なんだか小劇場演劇のわけのわからなさを皮肉ったような面もあり、面白かった。東葛スポーツは、初めて観て、興味を持った。公演に足を運んでみたい。マッハスピード豪速球は、今回も30分のコント(おそらく新作)を上演していたことに、気概を感じた。彼らの過去に行った30分のコントも、いつか再演してほしいと思った。