2月に劇場で観たもの(2016年2月)

2月6日 岡崎藝術座『+51アビアシオン, サンボルハ』(STスポット)
2月6日 チョップリン単独ライブ『ミカン畑は退かない』(新宿角座
2月8日 弱い人たちアンコール公演『強くなりたい』(ユーロライブ)
2月10日 東京コントメンvol.30(ユーロライブ)
2月11日 梅舟惟永企画『ありがとねえ!』(早稲田小劇場どらま館)
2月18日 全日本芸人ネタ選手権 『ドッカン!ドッカン!』 予選9日目(ルミネtheよしもと
2月19日 ロマン峠単独ライブ『峠攻め』(新宿バティオス)
2月21日 テスト・サンプル05『ひとりずもう』(早稲田小劇場どらま館)
2月21日 うしろシティの好きなネタ選んでもらいましたライブ(全電通ホール
2月24日 せとたけおプレ単独ライブ『はめる』(しもきた空間リバティ)
2月26日 かもめんたる単独ライブ『なのに、ハードボイルド』(シアターモリエール
2月28日 テアトロコントvol.5(ユーロライブ)
2月29日 テアトロコントvol.5(ユーロライブ)

※観たものを全て上記に列挙しているわけではありません。

東京コントメンvol.30

GAG少年楽団が出ていた。ママスパパスが大変面白かった。子どもにお金をあげて興奮する男のコント。それなのにママスパパスは解散してしまった。今年はまだ始まったばかりだというのに、将来あるコントのコンビが続けて解散してしまった。巨匠、よしもとの若手のひので、ママスパパス…。ラブレターズが、単独ライブで観て面白かった、飼い犬がいなくなるコントをやっていた。塚本さんの演じる人物が、徐々に得体の知れない人物になっていく感じがいいな。心理的距離がだんだん遠くなっていくような。

梅舟惟永企画『ありがとねえ!』

かもめんたる岩崎う大さんの短編がとても良かった。このような小品が書ける実力者なのだ、ということが改めてわかった。4人姉妹の、父がいなくなったある日の一幕。短めだったけど、ワンシチュエーションの会話劇。4人の姉妹それぞれの個性と関係が見事に描かれていた。あんなに面白くて、観終わった後に淀むことなくどんな上演だったか、説明出来ていたのに、書き残していなかったからすっかり忘れた点が多く、自分にがっかり。時間がなくても書き残しておかなければ…。
岩崎う大さんは家族を描くのが得意なのでは。もし今後も戯曲を書き続けるのなら、こういった、登場人物の、密な関係性に基づいた、ワンシチュエーションの会話劇を、少しずつでいいから尺を長くして書いて、発表していってほしい。是非、観たい。

テスト・サンプル05『ひとりずもう』

各15分ずつの、一人芝居を、5本。ダイアローグを、一人芝居で行う。舞台上には、俳優が一人だけど、登場人物は、二人乃至は、三人。観客は、舞台上には存在しない登場人物を、想像で補って観る。会話も、補って観る。下手な一人コントなんかでよくあるような、相手の台詞を復唱して「なに、彼氏が浮気して?別れるだって?やめとけ!」みたいな、不自然な説明的な台詞は、もちろんない。なくても、わかるのだなぁと実感した。私は、コントで言うと、そういう不自然な説明台詞が多用される一人コントのイメージが大きくて、一人芝居をちょっと食わず嫌いしていたところがあった。それは大間違いの、思い込みだった。サンプルが一人芝居の面白さを提示してくれた。笑いの多い芝居だった。一人芝居には笑いは不可欠だ、と思った。

うしろシティの好きなネタ選んでもらいましたライブ

どのコントも素晴らしい完成度で感嘆した。上演されたのは「転校生」「美容室」 「上京」「人探し」「居酒屋」「寿司」「病院」「太陽」。「人探し」が入るとは。確かにとても面白いコントだったけど、すっかり忘れていた。私は「バンドやろうぜ」が観たかったけど、挙がらなかった。もうここで再演されないなら、もう一生観る機会がなさそうだなぁと思う。

かもめんたる単独ライブ『なのに、ハードボイルド』

『メマトイとユスリカ』以来の傑作なのでは。念を飛ばすコントと冗談どんぶりが特に。TVのロケのコントも。コントの設定自体の発想も奇抜だけど、その奇抜な発想を基盤にして、リアリティのある関係・会話が書けるのが凄まじい。私が奇抜だと感じるほど、岩崎う大さんにとってはこれが奇抜だということはないことなのかもしれない。類まれなる人間の観察力と、ヘビだとか、鼻くそだとか、プリミティブな好奇心が同居している。サンプルの松井周さんが劇中でよく男性器をネタにするのと似た感じがする。

2月は、改めて振り返って、忙しすぎて、感想をメモしておけないことが問題だと思った。

以上