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2016年8月7日(日)、チョップリン単独ライブ「素人の非日常」

2016年8月7日(日)、夜は、新宿角座チョップリンの単独ライブ「素人の非日常」を観た。とても面白かった。チョップリンは大阪で活動しているので、東京で観る機会が限られている。東京では一回きりの公演。

便宜的に勝手にコントのタイトルをつけると、「かくれんぼ」「ヤクザ」「万引き」「刑務所の面会」「ダンスの練習」「お笑い芸人」「神社」「捨て子」の8本だったかと思う。忘れているのがあったらすみません。

一本目のかくれんぼのコントからほぼ全編、小林さんの異常な存在感が際立っていた。

神社のコントは、明転すると、上手に赤い鳥居が現れている。下手では、野球ボールを探している小学生の西野。すると、小林扮する小汚い神主らしき面妖な人物が鳥居の向こうに現れ、か細い声で西野に、鳥居をくぐるようにしつこくいざなう…というコント。コントの構成は、チョップリンの「ひいじいちゃん」というコントに近いかたちだ。この神主は、本当にこの世のものなのか、なんなのか、得体が知れない。はじめは、なぜそんなに鳥居をくぐらせようとするのか、わからないのだ。まるで異界へ手招きしているかのよう。この神主は鳥居の外には出られないのではないか…そんなことまで思ってしまう。SFなコントではないのはわかっているのだけど、そんな風な不思議な魅力もあった。本当は、賽銭をせびっているだけなのだが。でも、子どもに賽銭をせびるなんていうしみったれた感じ、もしかしたら八百万も神がいたら、一人くらいこんなのがいるんじゃないかと思わせる。

小林さんの演じる人物のヤバさ・怪異さが抜きん出ているのは、観客が、この人は本当にこういう人なのではないか…、と一瞬でも疑ってしまうような自然さからだと思う。懸命に演じて異常さを装っているのではなく、着の身着のまま出た、みたいな軽やかさだ。あんな風に、怪異そのもの、というような様子で舞台に立てる人が他にいるだろうか。

怪異だけど、畏怖しない。あやしいけど妙な親しみやすさがある。田舎の田んぼの畦道で歯の抜けたおじいちゃんに微笑まれるような不思議な愛嬌があるのが小林さんです。

今年のキングオブコントチョップリンに期待大です。