2017年8月〜10月半ばまでに観たもの(抜粋)

8月14本、9月16本、10月1〜12日間で16本?ほど観た。書き残して置こうと思うものは少なめ。

8月3日 フルコースコントクラブ(千川びーちぶ)

びーちぶのコントの芸人さん(主にだーりんず、ロビンフット)は他人を見る目も鋭くコントにも熱いので、誰をゲストに呼ぶのか注目。ホストメンバーは、だーりんず、ロビンフット、チャーミング。他事務所からのゲストは、しずる、ななまがり、ゾフィーパーパー、卯月、ロビンソンズ、トップリード、5GAP。びーちぶからの応戦ゲストはや団、電撃ブリッツ、モダンタイムス。

8月27日 サニーデイ・サービス日比谷野外音楽堂

はじめて野外音楽堂へ行った。

9月14日 ロロ『BGM』(ザ・スズナリ

良かった。120分あると上演前に伝えられて、そんなに長いのかとテンションが下がったけど、結果的には越えられた。(もっと短くても良かったとは思った。)好みではないなぁと思いながら観ていて、たしかに好みではなかったけど、最後は好みの問題などはどうでもよくなった。いいね!と思った。あんなに性格のいい演劇あるんだろうか。真っ直ぐすぎて真っ直ぐさに負けた。作られた真っ直ぐさじゃないと思った。こういうのがエモさだ、みたいな押しつけもなく、さっぱりして爽快だった。自己承認欲求とか狭い範囲で戦ってなくて、自分を肯定させるための武器をこっちに向けてない感じがした。なので私も丸腰で観た、みたいな感覚だった。

10月5日〜10月12日 キートン、ロイド、マルクス兄弟シネマヴェーラ

渋谷のシネマヴェーラバスター・キートンハロルド・ロイドマルクス兄弟などの喜劇映画の特集上映をやっていた。興味があったので、たくさん観た。映画館でやっている映画を見るのが好きだ。

まずはじめて、バスター・キートンを観た。物憂げな表情、一途なキャラクター、アクロバティックな演技に心掴まれた。観たのは『馬鹿息子』『キートンの蒸気船』『キートンのセブンチャンス』『キートンの探偵学入門』『キートンの大列車追跡』『キートンの文化生活一週間』『キートンの案山子』『キートンのハイ・サイン』『キートンの船出』。そしてとにかくハンサム!ものすごい間抜け、というのではなく、ちょっと抜けてる、という感じがよい。ツイてない感じがよい。他のタイトルも是非見たい。飄々としているので、ハラハラせずに観られるのが良い。

ハロルド・ロイドの作品も観た。最初に観たのが『ドクター・ジャック』。お人好しで愛嬌があって女に優しいモテる感じのキャラクターだった。他に観たのは『ロイドの落胆無用』『ハロルド・ディドルボックの罪』『ロイドのスピーディ』『ロイドの人気者』。情けない感じのキャラクターもかわいい。

マルクス兄弟は『オペラは踊る』の1つしか観れていない。途中寝てしまったところがあるものの、4人のキャラクターが濃い!憎たらしいほど。トーキーなので画面を追うのと字幕を見るのとで結構疲れる。他のも観たい。

10月8日 『ベニスに死す』(新文芸坐

以前DVDで観たことがあったけど、以前は「観た」という経験のために観たという感じだった。この日のは鑑賞のための鑑賞だった。131分もあるので、見る前は結局退屈して寝てしまうのでは、とか思っていたけど、131分、まったく眠くもなく、すべてのシーンに釘付けだった。(体調と気分がマッチしていたのだろう。)ずっと甘美でふくよかだった。音楽も優美。以前はビョルンの造形的な美しさばかりに注目していたけど、今見ると、ビョルンより圧倒的にダーク・ボガードの存在感が強い。厚みがある。131分間、ほとんどこのダーク・ボガード扮するグスタフと彼が観ているベニスの風景を観ていることになる。131分かけて、丁寧に丁寧に主人公の気持ちに寄り添っていると、わかるわけではないけど理解ができる、みたいな、なんとも言葉で言い表すのが難しい状態になる。自分の経験に即して、とか知っている感情、とかで感動したわけではなかった。「こういうこともあるだろう」みたいな共感?の感じ。カタルシスがあった。最後のシーン、陽光の中で若いタジオを眩しく見つめながら、死んでいくグスタフがなんとも静かに緩やかに切なくて、終わってもしばらく圧倒された感じが続いた。映画館で観る機会があってよかった。

あの頃背伸びして観た映画を、「楽しめないなら楽しめないでいい」と素直な気持ちで観たところとても夢中になって、結果あの頃憧れてたような大人になれていたことに気づいて、自分の成長を感じた。