10月半ば〜12月1日に観たもの(抜粋)

10月12日〜12月1日までに20本ほど観た。一言残したいものだけ抜粋する。

10月15日 鉄割アルバトロスケット『鉄割六本公演』(スーパーデラックス)

スーパーデラックスに合っていた。鉄割の本公演は2回目。隅々まで行き届いたアートディレクション(とでも言ったらいいのか)が公演を観る気持ちを高める。「出し物」感が、祭りのようで楽しい。

10月30日 ラブレターズ『道場破りライブ~VS早稲田大学お笑い工房LUDO~』(ユーロライブ)

これがかなり面白かった。オープニングから、未知なライブすぎて、どうなるかわからず、ヒリヒリした感じが溢れていた。ドキドキした。忘れてた気持ちだった。安定ばかり、鉄板ばかり求めていた気がする。そんなのばっかりじゃつまんないのだ。意欲的なライブだった。これをやるASH&Dがすごい。惚れた。ラブレターズにも惚れた。早稲田大学お笑い工房LUDOから5組が1本ずつと、ラブレターズが5本、ネタを交互に行なって勝敗をつけるライブ。早稲田の5組が、それぞれ意欲的で、荒削りだけど面白かった。特に「ダダダダンス」という、男2人、女1人のトリオがすごく良かった。投票は、学生のネタは意欲的といえど、結局やっぱりラブレターズが間違いなくレベルの差があって面白かったのだけど、「ダダダダンス」だけは、「ダダダダンス」の勝利だと思って彼らに丸を付けた。「ダダダダンス」をもう一度観たい。

11月5日 第四回全日本コントファンクラブ(ルミネtheよしもと

うしろシティはやっぱり面白いな、と思ったのだった。用務員さんのコント。見ていて気持ちがいい。構成が美しい。やさしいズも面白い。彼女が詩を書くコント。グランジのパレードのコントも良かった。しかしながら全体的に、このメンバーならもっと面白いコント揃いにできるような気もした。さらに私は、ルミネtheよしもとが、圧倒的にコントに向かない劇場だと思っている。吉本の劇場は漫才のための劇場だ。(神保町花月は比較的コントが観やすい。)客席に傾斜がなくて演者の顔が見えない。前方に座った観客の頭に隠れて、顔どころか演者の全身が見えないときがある。舞台上に1人しかいなくて、袖からもう一人出てくるのかと思ったら、舞台上にいるのに見えてないだけだった、ということがよくある。つまり、ルミネtheよしもとが嫌いです。

11月9日 庭劇団ペニノ『地獄谷温泉 無明ノ宿』(KAAT 大スタジオ)

圧倒的な舞台装置。この美術が現れただけで、一瞬にして劇世界が眼前に立ち上がった。舞台が、空っぽの容れ物ではなくて、それ自体が物語で俳優を動かしているようだった。生き物のような、切ったら血が出そうな舞台美術。それほど強い。こんなことまで演劇でやるのか。と思った。観に行った甲斐がある。お金のことを言ってしまっては興がないけれども、これが前売りで4,500円とはこんな体験他にできないだろうと思う。今後もペニノは見逃せない。

11月14日 「ロイドの福の神

ギンレイホールで生のピアノとともに見た。今後も喜劇映画の上映はチェックする。

11月16日〜19日 テアトロコントspecial/テニスコートのコント『水をたくさん飲んできたので結構』

テニスコートは素晴らしいトリオだ。今回のようなスタイルの「テニスコートのコント」、では、ゲストに俳優を迎えている。今回は計6人でのコント公演。西山真来さんが雰囲気に合っていた。殺風景なユーロライブの舞台が、少しの工夫で洒落た舞台になっていた。テニスコートも、全体の総合的な演出がセンスが行き届いていた素晴らしい。コントが素晴らしいのは勿論のこと、チラシから舞台美術、衣装、音響、映像に至るまで隅々まで目が行き届いているブランディング。観客はもてなされている。

11月27日 東葛スポーツ『ハウス』

今一番かっこいい演劇。今後も見逃せない。

12月1日 『どらま館ショーケース』

1番は犬飼勝哉の『木星からの物体X』。軽やかで小気味よくて、程よく観客をもてなすサービス精神もある。犬飼勝哉/わっしょいハウスは、今後思いもよらない意外なところまで観客を連れて行ってくれるんじゃないか、と思う。それは、知的探究心を満たすような新しい演劇であり、エンターテイメント性も兼ね備えたものなんじゃないかと期待している。初めて観た、the pillow talkが面白かった。絞った照明の効果もあり、すごく集中してみてしまった。会話が緻密。うまい30分。これは次の本公演は必ず観に行く。