2月中旬〜5月末に観たもの(抜粋)

2月中旬〜5月末までに観たものの抜粋

2月17日アラフォー芸人の乱(新宿バッシュ)

ラ・サプリメントビバさんを観に行った。東葛スポーツ的なサンプリング感。

2月25日THE ROB CARTON「マダム」(赤坂レッドシアター)

初めて観た。関西で最も面白いらしいと聞いたので。噂に違わず実力派コメディ劇団だった。関西の劇団というと、勝手なイメージながら、演出が派手、音楽と照明の多用、そしてウエットさとベタ、という印象だったけど、そうではなかった。徹底した、高級な雰囲気作りと、落差のあるバカバカしさ。笑いに対する透徹な視線を感じた。

3月3日ウンゲツィーファ『転職生』(王子スタジオ1)

初めて観た。前回の公演は、主宰者の自宅での上演、というのがハードルが高すぎて、行けなかった。今回の公演を観て、行かなかったことを若干後悔した。それほどに良かった。キャリアを鑑みても、これはもはや、褒める人しかいないだろうと思った。シーンとシーンのつなぎ方、構成がとてもうまい。

3月末〜4月頭 ソクーロフ上映特集

ソクーロフといえば、学生時代に観た『太陽』、そして『フランコフォニア』が公開された際に観ていた。静かで幻想的で、うまく言葉で表せないけど、とても好きだったなと感じていた。特集上映があるというので、ほぼ全部観る勢いでイメージフォーラムに行った。『日陽はしづかに発酵し…』『牡牛座 レーニンの肖像』がとても良かった。『日陽はしづかに発酵し…』は、とにかく画面が美しくてずっと観ていられる。浮遊感があって、夢のようで、眠りに誘われる箇所も多いけど、映画館で体験したということが他に何にも代えがたい時間だったと思わせられる。『牡牛座 レーニンの肖像』は、『太陽』のように、実在の人物がさもそのように生活していたのではないかと思わせられる丁寧な、生き様の描写がある。それは何かをことさらに語ったり、人生の中での特筆すべき一日をドラマチックに描くものではないけれど、切り取った時間の前後に、その人がまさに生きているはずだという、連綿と続く人生の時間を思わせる力がある。そういう丁寧さが好きなのだな、と思った。

ほかには『太陽』を再度観た。『ファウスト』これはすごく物語で、見やすい映画だった。『痛ましき無関心』はあまり好きではなかった、退廃的すぎた。『モレク神』、『ストーン/クリミアの亡霊』は画面が暗いのでほぼ寝てしまった。またの機会にチャレンジしたい。他には『静かなる一頁』『チェチェンへ アレクサンドラの旅』『セカンド・サークル』『孤独な声』なども観た。

エルミタージュ幻想』を観られなかったことが悔やまれる。

3月23日 トンツカタン第3回単独ライブ『さよならさよならこんにちは』(ユーロライブ)

途中のVTRで、ジャンプしたら次のロケ地に着地、というあるある演出をするところで、ジャンプして、移動する車の中に着地、というおふざけがめちゃくちゃおもしろかった。それぞれ個性豊かで愉快なトリオ。面白かった。

3月27日かが屋単独『瀬戸内海のカロ貝』(シアターブラッツ

既に今年一番おもしろかった、と言って良いだろう。コントの詳細をメモしているので、いずれネタバレしても大丈夫そうなくらい時間が経ったらまとめておきたい。

4月1日『4×30 ~東京、大阪、期待の若手4組×30分の単独ライブ~』(ルミネtheよしもと

これ以来、からし蓮根のファンに。ペコリーノが面白いのは以前に単独ライブを観に行ったことがあったので知っていたけど、より一層実力が増していたように思う。

4月8日ファースト∞ライブ(ヨシモト∞ホール

男性ブランコを観に行った。面白かった。立ち見まで出ていた。劇場が盛り上がっていて良い。ゆにばーすが好きだ。

4月15日Mitaka! SCOOL!! 1st Anniversary!!!(SCOOL)

特筆すべきはマレビトの会コント。演出が凄まじい。このスタイルのコント、という強みがある。あまり細かく書かないので、ぜひ観てほしい。

4月19日城山羊の会『自己紹介読本』(シアタートラム)

再演。初演も観た。この演目が一番好きだ。めちゃくちゃおもしろかった。

4月末ジャン・ルノワール大いなる幻影』、『恋多き女』(ユーロスペース

大いなる幻影』、欧州の歴史に疎いため、まず誰がどこの国か把握するのが大変で、情報量が多いゆえに前半はかなりウトウトした。身体の疲れも大いに影響。このため、前半に見落としが多かったので、2回観た。ラウフェンシュタイン大尉が、ボワルデュー大尉と心通わせながらも、職務に忠実な故に相手を撃つところは、切なすぎて涙が出た。心撃ち抜かれた。ゼラニウムを育ててたシーンがすごく効果的で、心の優しさが対比で浮き上がった。また、最初のシーンで、撃ち落とされた仏軍の将校を捕虜にして独軍が食事に招いていたのが、そういう文化があるということが新鮮だった。第一次世界大戦では、捕虜とは、ある規律の中で、人間の尊厳を保たれながら扱われていたのか、と知った。ドラマとはこういうものだなぁ、という映画だった。こういう映画が名作として時代を経てあらゆる人に届くのだ。

恋多き女』は、イングリッド・バーグマンが、「恋多き女」として登場するけど、情熱的ではあるけれどもめちゃくちゃ仕事人だしドライでかっこよかった。そしてメル・ファーラーがとてもかっこよかった。『汚名』のケーリー・グラントにも思ったけど、最初別にものすごいハンサムとは思わないのに、劇中の立ち居振る舞いからかっこよさが溢れ出ていて、観ているうちに段々とかっこいいと思ってしまう。

5月3日GWだよ!よしもとお笑いライブ(よしもと漫才劇場

大阪に行ったので、せっかくなので漫才劇場に。当日券は立ち見だった。ゴールデンウイークなこともあってか、観光がてら来ている人が多い様子。劇場にたくさんの人が来るということは素晴らしいな。すっかりからし蓮根のファンに。ボケの青空さんは、いつみても、初めて聞いたかのような新鮮な反応のツッコミをする。そして熊本弁が切れ味が良くて小気味良い。ほかには、アインシュタインの漫才がすごく面白かった。

5月4日中之島春の文化祭2018(ABCホール

このイベントのために大阪に行った。THE ROB CARTONはやはり面白かった。すっかりファンに。キャラクターも立っていて良い。匿名劇壇の短編がとてもおもしろかった。死体があるところからはじまるのが、別役実の不条理劇を思わせる。大阪では演劇の活気が感じられた。

5月6日ナカゴー『まだ気づいていないだけ』(ムーブ町屋

東葛スポーツの金山さん、明日のアーの大北さんが客演。他劇団の主宰者が客演するというのはなんだか妙に面白い。金山さんは、俳優として出演するとき、人間の色気ともいうべきか、人物の魅力がすごい。大北さんはトリックスターめいていて面白かった。

5月7日『マルクス・エンゲルス』(岩波ホール

なんとなく気になったので観たけれど、あまりおもしろくなかった。ドラマを描こうとしているようだったけど、表面的な出来事を追っていくばかりで、薄っぺらく感じてしまった。ソクーロフの『牡牛座 レーニンの肖像』を思い出し、反面的にソクーロフの良さを感じた。岩波ホールには初めて行った。平日の昼間だったこともあり、ほぼほぼ年配の男性ばかりで、しかも8割くらい埋まっていた。すごいことだ。若者も平日の昼間から映画を観ることができれば、より一層文化的な国になるのになぁ。

5月8日月刊「根本宗子」『紛れもなく、私が真ん中の日』(浅草九劇)

根本宗子さんはパワーがある。自分の好みの演劇とは異なるものの、とても楽しんだ。

5月19日GAG少年楽団単独ライブ『優しいダサ坊』(ルミネtheよしもと

GAG少年楽団はやっぱり面白い。最後に、重大なお知らせがある、ということで、改名が発表された。いったいどんな酷い名前になるのかと恐れ慄いたけど、「GAG」に改名するそうだ。思っていたより悪くなくてホッとした。