2018年1月〜2月中旬までに観たもの(抜粋)

なにか一言残しておきたいものだけ抜粋
1月6日 ななまがり単独ライブ「まがりコメディ」(ルミネtheよしもと

幕間の映像があるとは言え、コントばかり連続で2時間超え(予定を大幅に超過したらしい)、頭がおかしくなるかと思った。もっと短くてもいいと思ったけど、ここまでやられてしまえば身を委ねるしかない。イントロ早押しクイズのコントが一番好きだった。

1月11日ザ・ギース単独ライブ『果てしなきガム』(ザ・スズナリ

スズナリでの公演、ということが快挙だと思う。ザ・ギースの単独ライブとしては、過去の「ロイヤルストレートフラッシュバック」とかの方が面白かったとは思う。これからも公演としての価値の高いものを継続して作ってほしいな、とファンとして思う。

1月17日ロロ『マジカルファミリー肉じゃがツアー』(KAAT大スタジオ)

ロロにはやはり白旗挙げてしまう。

1月26日卯月単独『そうですか』(関交協ハーモニックホール)

卯月のことが、単独を観ながら、急激に好きになった。もはやただのファン。最初に2人で始まって、3人目が登場するポイントがすごくセンスがいいなと思う。コンビではできない、3人目登場からの展開のしかた、トリオならではの面白さがある。笑いどころの感じもちょっとナンセンスめいていて好みだ。人力舎を担う若手だなと思った。やっぱりコントの人力舎

1月27日テアトロコント特別編 2010年代結成ユニット特集!(ユーロライブ)

ガクヅケというコンビが、才能に溢れていて恐ろしかった。なんてキャッチーで独特!ガクヅケを観に、お笑いライブに行こうと思った。観たことがないものを観せてくれる、という最強の観に行く理由がある。

2月2日バカ爆走! 人力コントの日!!(新宿ミニホールFu-)

吉住さんというピン芸人さんが面白かった。卯月もトンツカタンもロマン峠も面白い人力舎はやっぱりコントファンにはたまらないと思った。

2月3日ゾフィー第4回単独ライブ「TeHe」(ユーロライブ)

ゾフィーの新しい一面が満載の単独ライブ、2018年が飛躍の年になると思った。コントがとにかく面白いし、公演全体をデザインする意識が行き届いていてクオリティが高い。

2月4日劇かもめんたる第四回公演「尾も白くなる冬」(赤坂レッドシアター)

かもめんたるのう大さんのことを作家としてめちゃくちゃ信頼しているからこそ、なんだか辛口な感想が出てきてしまう。第一回目から比べると格段に観やすい構成やシーンはこびになっているとは思うものの、ただただ技術として上手くなるだけの演劇をかもめんたるに期待しているわけではないのだ…。もっと、観たことがない、かもめんたるのコントで表現されているような、切実で誠実な狂気、というか、リアリティある常識外れの心情、そういうものを期待してしまう。コントではそこの表現に格好良さがあるものの、演劇で表現するとなると途端にダサくなるのはなぜか。演劇としての表現が洗練されていないからというのも1つの理由だろう。ラストにいわゆるいいシーン的なものが挟まることも不要だと感じる。(もしもう大さんがそのシーンを表現することに意味をかんじているのならお門違いの感想であるが。)人間のどうしょうもない性のような、情念のようなものは、「いいシーン」として結実しなければいけないのか?かもめんたるのコントでは、「いいシーン」として描かれなくても、確実にそういった人間味が現れていたのでは?と思う。「いいシーン」でありきたりな、中心人物にピンスポ強めみたいな照明変化をするのも演劇的にダサい。脚本だけじゃなく、演出も、かもめんたるなら、もっと鋭利で格好よくあってほしい。もしかすると今が過渡期なのかもしれない。ここを越えて飛躍的な伸び方をするのかも。YouTuberを馬鹿にするシーンがちょっと個人的に物足りなかった。馬鹿にされているYouTuberは、ああやって"群れて"馬鹿にしてくる人たちを、動画におさめてさらに1つ上のマウントを取るくらい客観的な意地悪さがほしかったようにも思う…。

2月7日ライジングオレンジ(新宿ミニホールFu-)

かが屋というコンビがとにかく面白かった。昨年のキングオブコントの準々決勝で観て、作られた空気感が印象的だったけど、このたび改めて生でコントを観て、面白さを確信した。すぐに、3月末の単独ライブのチケットを購入した。すでに結構な売れ行きらしい。人気が出そうな、というか、すぐにコントで定評を得そうなコンビだと思った。コントの未来が明るいと思った。それにしても、マセキ芸能社さんにはコントが面白いユニットが多くて畏敬の念すら抱く。マセキの事務所ライブには初めて足を運んだけど、この「ライジングオレンジ」では、ガクヅケとかが屋という今をときめく(主観)二組が鎬を削っているのかと思うと激アツすぎる。しかもその二組というのは、同じコントでありながら全く個性が相反している。かが屋はオーソドックスな会話劇のコント。演劇とも相性が良さそうだ。

2月10日月刊太福マガジン(ユーロライブ)

玉川太福さんという浪曲師はめちゃくちゃ面白い。まもなく見つかると思う。(もうすでに見つかっている?)

2月11日勝手にふるえてろヒューマントラストシネマ渋谷

どこにでもある共有可能なこじらせをここまで切実に丁寧に描いたものはあんまり観たことがなかったので、とても好印象だった。(映画をあまり観ないので客観性は無いが。)松岡茉優さんは演技力が高いな。渡辺大知さんの全然格好ついてないけど人間的には好感しかないタイプの男の造形もとてもよかった。

2月14日予兆 名絵画探偵3(BlanClass)

観たことがないタイプの面白さだった。センスが溢れていた。知らない世界がまだまだあると痛感した。

2月15日フロム・ニューヨーク「サソリ退治に使う棒」(駅前劇場)

テニスコートが客演している。最初のシーンで、吉増裕士さんがそのしっかりした強い声で発したセリフが駅前劇場に響いた時から、劇世界に引き込まれたな、という実感があった。フロム・ニューヨークのお三方と吉増さんが手練の役者であることは疑いがないけど、客演していたテニスコートの三名もとても良かった。テニスコートの神谷さんは今後役者としても充分やっていけそうなオールラウンダー加減だった。テニスコートの吉田さんは、個性的なハンサムさと演技が、今回の役どころにとてもはまっていて、観客の好感を集めていたように思う。テニスコートの小出さんは、持ち前の滋味溢れる愛嬌が遺憾なく発揮されていました。物語の筋はというと、これこそが演劇界での笑いの"ストイックさ"なのではと思うほど、ナンセンスに次ぐナンセンスで、ナンセンス以外はなにももたらさないという尖りの境地だと思いました。

2017年12月2日〜12月31日までに観たもの(抜粋)

面白かったものの中で一言書いておきたいものだけ

12月5日 ナショナル・シアター・ライヴ『ヘッダ・ガーブレル』(TOHOシネマズ日本橋

女という容れ物から自分を解放できずにもがいて死んだ女の話だった。と思った。主人公のヘッダに対して、テアは男と知性で繋がっているように思った。

12月7日  城山羊の会『相談者たち』(三鷹芸術文化センター星のホール)

台詞が極限まで小さかった。もはや、セリフの一部が聞き取れなくても、それでも面白さは損なわれず、変わらないという境地なのかも。(城山羊の会は台詞がめちゃくちゃおもしろいのにもかかわらず。)こんな空気を醸成できて、観客を巻き込めるというのがすごいと思う。文脈さえ分かっていれば、そこに発生している人間関係それ自体を面白いと思える。生身の俳優が上演すること、最大の面白さだと思う。

12月10日 ナショナル・シアター・ライヴ『一人の男と二人の主人』(吉祥寺オデヲン)

洒落たコメディだった。休憩の間に、ナビゲーターが楽屋に行くシーンで、俳優たちがボケまくっててめっちゃ面白かったし、かっこよかった。

12月13日 アレクサンドル・ソクーロフ『太陽』(ユーロスペース

昔観たけど、忘れられずに、観た。他に替えがたい時間が得られる。もう一度観たい。ところどころユーモアがあって笑える。

12月13日 ワワフラミンゴ『脳みそ歩いてる』(ギャラリー・ルデコ)

どういう理屈、というか、何を手本にして、何を目指しているのか、類型化できない、観たことがない、独自の団体だ、と改めて思った。唯一無二すぎる。テニスコートの神谷さんが良いアクセントになっていた。不思議なコラボレーションが生まれていた。印象的な台詞はたくさんあったはずだけど、記憶力が悪くあまり覚えていない。

12月16日 『テアトロコント vol.24』(ユーロライブ)

「古屋と奥田」というコンビが素晴らしすぎた。作・演出を毎回外部から招く方式の、俳優のユニット。俳優2人の人間としての色気がすごい。今回の作・演出は、玉田企画の玉田真也。玉田企画では今まで観たことがないような、大人の男の人間関係を描いていた。新境地だと思った。「古屋と奥田」は、今後、バディものの代名詞となるだろう。

12月16日 やさしいズ単独ライブ『#ストレリチア』(神保町花月

コントがとにかく面白かった。特に、「コンビニ」と題されたコントが素晴らしすぎて、観ながらこの公演に足を運んだことの幸せを噛み締めた。

12月18日 サニーデイ・サービス『DANCE TO THE POPCORN CITY』(恵比寿LIQUIDROOM

サニーデイ・サービスはもはや人生。

12月20日 チェルフィッチュ『三月の5日間』(KAAT 大スタジオ)

初期のチェルフィッチュの、観客に語りかけるスタイルをそのままやるのかと思ったけど、ちょっと演出が違ったように思う。以前はもっと、観客に、伝わっているのかどうか探っている感じと、こんなに一人で喋っていることへのエクスキューズみたいなのがあって、他者に対して発話するって感じが強かった。それは良し悪しではなく単に相違だと思った点。今回の上演を観て、十年あまりたった今でも新鮮で刺激的だったことにびっくりした。色褪せないと思った。

12月23日 第四笹蒲ライブ(新宿バッシュ)

浜村凡平さんが気になった。

12月27日〜31日 ヒッチコックシネマヴェーラ

アルフレッド・ヒッチコックの特集上映を行っていたので、気になっていたので観た。『山羊座のもとに』『汚名』『第3逃亡者』『三十九夜』『下宿人』『私は告白する』『ロープ』を観た。どれもめちゃくちゃおもしろい。私は映画をほとんど観ていないので、つまりまだ観ぬ名作が大量にあるということなので、のこりの人生もめちゃくちゃ楽しいじゃないかと思う。さておき、ヒッチコックですが、『汚名』という作品が特に、ロマンチックでときめいた。いままで観たどんな恋愛物よりも素敵だった。デヴリンは不器用で生真面目だ。アリシアのいないところでは、彼女のことで狼狽したり、感情的になったりしてるくせに、彼女には全く伝えられない不器用さにときめいた。ラストもとてもスリリングで情熱的だった。

10月半ば〜12月1日に観たもの(抜粋)

10月12日〜12月1日までに20本ほど観た。一言残したいものだけ抜粋する。

10月15日 鉄割アルバトロスケット『鉄割六本公演』(スーパーデラックス)

スーパーデラックスに合っていた。鉄割の本公演は2回目。隅々まで行き届いたアートディレクション(とでも言ったらいいのか)が公演を観る気持ちを高める。「出し物」感が、祭りのようで楽しい。

10月30日 ラブレターズ『道場破りライブ~VS早稲田大学お笑い工房LUDO~』(ユーロライブ)

これがかなり面白かった。オープニングから、未知なライブすぎて、どうなるかわからず、ヒリヒリした感じが溢れていた。ドキドキした。忘れてた気持ちだった。安定ばかり、鉄板ばかり求めていた気がする。そんなのばっかりじゃつまんないのだ。意欲的なライブだった。これをやるASH&Dがすごい。惚れた。ラブレターズにも惚れた。早稲田大学お笑い工房LUDOから5組が1本ずつと、ラブレターズが5本、ネタを交互に行なって勝敗をつけるライブ。早稲田の5組が、それぞれ意欲的で、荒削りだけど面白かった。特に「ダダダダンス」という、男2人、女1人のトリオがすごく良かった。投票は、学生のネタは意欲的といえど、結局やっぱりラブレターズが間違いなくレベルの差があって面白かったのだけど、「ダダダダンス」だけは、「ダダダダンス」の勝利だと思って彼らに丸を付けた。「ダダダダンス」をもう一度観たい。

11月5日 第四回全日本コントファンクラブ(ルミネtheよしもと

うしろシティはやっぱり面白いな、と思ったのだった。用務員さんのコント。見ていて気持ちがいい。構成が美しい。やさしいズも面白い。彼女が詩を書くコント。グランジのパレードのコントも良かった。しかしながら全体的に、このメンバーならもっと面白いコント揃いにできるような気もした。さらに私は、ルミネtheよしもとが、圧倒的にコントに向かない劇場だと思っている。吉本の劇場は漫才のための劇場だ。(神保町花月は比較的コントが観やすい。)客席に傾斜がなくて演者の顔が見えない。前方に座った観客の頭に隠れて、顔どころか演者の全身が見えないときがある。舞台上に1人しかいなくて、袖からもう一人出てくるのかと思ったら、舞台上にいるのに見えてないだけだった、ということがよくある。つまり、ルミネtheよしもとが嫌いです。

11月9日 庭劇団ペニノ『地獄谷温泉 無明ノ宿』(KAAT 大スタジオ)

圧倒的な舞台装置。この美術が現れただけで、一瞬にして劇世界が眼前に立ち上がった。舞台が、空っぽの容れ物ではなくて、それ自体が物語で俳優を動かしているようだった。生き物のような、切ったら血が出そうな舞台美術。それほど強い。こんなことまで演劇でやるのか。と思った。観に行った甲斐がある。お金のことを言ってしまっては興がないけれども、これが前売りで4,500円とはこんな体験他にできないだろうと思う。今後もペニノは見逃せない。

11月14日 「ロイドの福の神

ギンレイホールで生のピアノとともに見た。今後も喜劇映画の上映はチェックする。

11月16日〜19日 テアトロコントspecial/テニスコートのコント『水をたくさん飲んできたので結構』

テニスコートは素晴らしいトリオだ。今回のようなスタイルの「テニスコートのコント」、では、ゲストに俳優を迎えている。今回は計6人でのコント公演。西山真来さんが雰囲気に合っていた。殺風景なユーロライブの舞台が、少しの工夫で洒落た舞台になっていた。テニスコートも、全体の総合的な演出がセンスが行き届いていた素晴らしい。コントが素晴らしいのは勿論のこと、チラシから舞台美術、衣装、音響、映像に至るまで隅々まで目が行き届いているブランディング。観客はもてなされている。

11月27日 東葛スポーツ『ハウス』

今一番かっこいい演劇。今後も見逃せない。

12月1日 『どらま館ショーケース』

1番は犬飼勝哉の『木星からの物体X』。軽やかで小気味よくて、程よく観客をもてなすサービス精神もある。犬飼勝哉/わっしょいハウスは、今後思いもよらない意外なところまで観客を連れて行ってくれるんじゃないか、と思う。それは、知的探究心を満たすような新しい演劇であり、エンターテイメント性も兼ね備えたものなんじゃないかと期待している。初めて観た、the pillow talkが面白かった。絞った照明の効果もあり、すごく集中してみてしまった。会話が緻密。うまい30分。これは次の本公演は必ず観に行く。

2017年8月〜10月半ばまでに観たもの(抜粋)

8月14本、9月16本、10月1〜12日間で16本?ほど観た。書き残して置こうと思うものは少なめ。

8月3日 フルコースコントクラブ(千川びーちぶ)

びーちぶのコントの芸人さん(主にだーりんず、ロビンフット)は他人を見る目も鋭くコントにも熱いので、誰をゲストに呼ぶのか注目。ホストメンバーは、だーりんず、ロビンフット、チャーミング。他事務所からのゲストは、しずる、ななまがり、ゾフィーパーパー、卯月、ロビンソンズ、トップリード、5GAP。びーちぶからの応戦ゲストはや団、電撃ブリッツ、モダンタイムス。

8月27日 サニーデイ・サービス日比谷野外音楽堂

はじめて野外音楽堂へ行った。

9月14日 ロロ『BGM』(ザ・スズナリ

良かった。120分あると上演前に伝えられて、そんなに長いのかとテンションが下がったけど、結果的には越えられた。(もっと短くても良かったとは思った。)好みではないなぁと思いながら観ていて、たしかに好みではなかったけど、最後は好みの問題などはどうでもよくなった。いいね!と思った。あんなに性格のいい演劇あるんだろうか。真っ直ぐすぎて真っ直ぐさに負けた。作られた真っ直ぐさじゃないと思った。こういうのがエモさだ、みたいな押しつけもなく、さっぱりして爽快だった。自己承認欲求とか狭い範囲で戦ってなくて、自分を肯定させるための武器をこっちに向けてない感じがした。なので私も丸腰で観た、みたいな感覚だった。

10月5日〜10月12日 キートン、ロイド、マルクス兄弟シネマヴェーラ

渋谷のシネマヴェーラバスター・キートンハロルド・ロイドマルクス兄弟などの喜劇映画の特集上映をやっていた。興味があったので、たくさん観た。映画館でやっている映画を見るのが好きだ。

まずはじめて、バスター・キートンを観た。物憂げな表情、一途なキャラクター、アクロバティックな演技に心掴まれた。観たのは『馬鹿息子』『キートンの蒸気船』『キートンのセブンチャンス』『キートンの探偵学入門』『キートンの大列車追跡』『キートンの文化生活一週間』『キートンの案山子』『キートンのハイ・サイン』『キートンの船出』。そしてとにかくハンサム!ものすごい間抜け、というのではなく、ちょっと抜けてる、という感じがよい。ツイてない感じがよい。他のタイトルも是非見たい。飄々としているので、ハラハラせずに観られるのが良い。

ハロルド・ロイドの作品も観た。最初に観たのが『ドクター・ジャック』。お人好しで愛嬌があって女に優しいモテる感じのキャラクターだった。他に観たのは『ロイドの落胆無用』『ハロルド・ディドルボックの罪』『ロイドのスピーディ』『ロイドの人気者』。情けない感じのキャラクターもかわいい。

マルクス兄弟は『オペラは踊る』の1つしか観れていない。途中寝てしまったところがあるものの、4人のキャラクターが濃い!憎たらしいほど。トーキーなので画面を追うのと字幕を見るのとで結構疲れる。他のも観たい。

10月8日 『ベニスに死す』(新文芸坐

以前DVDで観たことがあったけど、以前は「観た」という経験のために観たという感じだった。この日のは鑑賞のための鑑賞だった。131分もあるので、見る前は結局退屈して寝てしまうのでは、とか思っていたけど、131分、まったく眠くもなく、すべてのシーンに釘付けだった。(体調と気分がマッチしていたのだろう。)ずっと甘美でふくよかだった。音楽も優美。以前はビョルンの造形的な美しさばかりに注目していたけど、今見ると、ビョルンより圧倒的にダーク・ボガードの存在感が強い。厚みがある。131分間、ほとんどこのダーク・ボガード扮するグスタフと彼が観ているベニスの風景を観ていることになる。131分かけて、丁寧に丁寧に主人公の気持ちに寄り添っていると、わかるわけではないけど理解ができる、みたいな、なんとも言葉で言い表すのが難しい状態になる。自分の経験に即して、とか知っている感情、とかで感動したわけではなかった。「こういうこともあるだろう」みたいな共感?の感じ。カタルシスがあった。最後のシーン、陽光の中で若いタジオを眩しく見つめながら、死んでいくグスタフがなんとも静かに緩やかに切なくて、終わってもしばらく圧倒された感じが続いた。映画館で観る機会があってよかった。

あの頃背伸びして観た映画を、「楽しめないなら楽しめないでいい」と素直な気持ちで観たところとても夢中になって、結果あの頃憧れてたような大人になれていたことに気づいて、自分の成長を感じた。

キングオブコント2017準決勝

キングオブコント準決勝を二日間観に行きました。9月7日(木)18時開演、9月8日(金)12時30分開演。どちらも会場は赤坂ブリッツ。初日は二階席の上手側、二日目は1階席の前方ブロック下手側で観ました。二階席は1階席の盛り上がりを俯瞰する感じでした。

全組のコントを書いておきます。ネタバレ有(なるべくネタバレにならないように書きます)。コントの後に●が付いているのは、東京の準々決勝でやっていたコントです。(大阪の準々決勝は観ていない&準々決勝でやったコントを準決勝でやっていない組もあります。)決勝に行く組のは伏せておきます。最後に全体の感想を書いておきます。

1日目

相席スタート 国際結婚の夫婦●
アイロンヘッド 発電
アキナ (決勝へ)
アンガールズ (決勝へ)
アンゲラー 不良息子●
犬の心 昼飯●
うしろシティ チェリーズのファン
卯月 募金活動●
うるとらブギーズ レストランでプロポーズ●
Aマッソ タレントとマネージャー●
かまいたち (決勝へ)
カミナリ 授業参観
かもめんたる 偽り
クロスバー直撃 爆弾
ザ・ギース 焼肉屋
さらば青春の光 (決勝へ)●
GAG少年楽団 (決勝へ)●
しずる 犯人を説得
ジャルジャル 万引きGメン●
ジャングルポケット (決勝へ)
ゾフィー(決勝へ)●
だーりんず 親子(アイドルのファン)
ダブルブッキング 芸人体操●
チョコレートプラネット 獄中生活●
トップリード 社内恋愛について
ななまがり バッティングセンター●
にゃんこスター (決勝へ)●
ニューヨーク 浜辺の喫茶店
ネルソンズ 新幹線にて
パーパー (決勝へ)
ビスケットブラザーズ 赤ちゃんとの接し方講座
藤崎マーケット RPGボス戦
モンスターエンジン 女子高生と父
やさしいズ 父と息子●
や団 ペンション●
ラバーガール 居酒屋バイトの面接●
ロッチ ダイエット企画
わらふぢなるお (決勝へ)

2日目

相席スタート 社内での告白
アイロンヘッド 鍋
アキナ (決勝へ)
アンガールズ (決勝へ)
アンゲラー 狼が来る
犬の心 時間を止める能力
うしろシティ ひきがたり●
卯月 公園にて
うるとらブギーズ アーケードゲーム
Aマッソ 旅行代理店
かまいたち (決勝へ)
カミナリ エイプリルフール●
かもめんたる 学芸会
クロスバー直撃 刑事二人組
ザ・ギース 旅先でのバー●
さらば青春の光 (決勝へ)
GAG少年楽団 (決勝へ)
しずる 追試の教室にて
ジャルジャル 漫才の練習
ジャングルポケット (決勝へ)
ゾフィー (決勝へ)
だーりんず 就活面接
ダブルブッキング 旅館
チョコレートプラネット 手紙
トップリード 恋愛シュミレーションゲームみたいなやつ
ななまがり 妖怪
にゃんこスター (決勝へ)
ニューヨーク 路上喫煙
ネルソンズ 自殺を止める
パーパー(決勝へ)●
ビスケットブラザーズ キャバクラ
藤崎マーケット 病院にて
モンスターエンジン 山岳事故
やさしいズ 追試
や団 天気予報
ラバーガール 足つぼマッサージ
ロッチ 人間ポンプ
わらふぢなるお (決勝へ)●

 

1日目の感想

この日トップでウケていたのはさらば青春の光だった。めちゃくちゃウケていた。私も何度か見たコントなのにめちゃくちゃ面白かった。本当に面白いコントはネタバレはあまり関係がなく、その場で起こっているやりとりがたまらなく面白くなる。次にウケていたのはGAG少年楽団だったと思う。これも何度も見たのに、次に打つ手を知っているのに、あまりにも見事な打ち方で、やはり新鮮に面白く感じる。GAG少年楽団は台詞の言い方とか演者の動きがダイナミックで面白い。舞台を余すところなく使った大げさな演出がバカバカしさを増している。

この日他に個人的に好みで面白かったのは、ななまがり、やさしいズ、パーパー、や団、わらふぢなるお、モンスターエンジン、アキナ。

やさしいズは、ボケに対する反応(ツッコミ)が肯定的なフレーズで、両ボケのようなコント。若い人にウケそう。

準々決勝でやっていたネタが多かったからなのか、2日目に比べると、1日目のほうが面白いコントが多かった。

Twitterでもたくさんの人が書いていたけど、うしろシティがのコントが始まった途端、女の悲鳴があがったのは、本当にやるせなかった。今でこそ、一連のできごとを「やるせなかった」と表現できるけど、当時の自分状態としては、ぞっとした、って感じだった。動揺した。悲鳴は、転換中の曲がフェードアウトして、暗転中に流れるコントの最初のナレーション部分で発された。まさにコントが始まろうとしている瞬間だった。ナレーションを聞いての「このコント知ってる」または「このコントやるんだ」という意味合いの悲鳴だと思う。大事な導入部分(静かなシーン)で、悲鳴で意識が削がれて、うまくコントに集中できなかった人が多いだろう。演者にとっても観客にとっても、迷惑以外のなにものでもない。パフォーマンス自体より、それが好きな自分が好きなのだろう。厳しく反省してほしい。キングオブコント準決勝前に、うしろシティのコントをいくつか観る機会があったけど、どのコントも面白く、決勝に行く可能性があるなと思っていたのに、こんな出来事が起きて残念な気持ちになった。

2日目の感想

この日トップでウケていたのはGAG少年楽団だと思った。1日目も2日目もトップレベルに面白い組はGAG少年楽団以外にはいかなった。これで決勝に進まないわけがないと思った。

かまいたちのコントは、導入部分で設定がありがちで読めてしまったけど、後半の怖さとしつこさの畳み掛けが面白かった。

藤崎マーケットの2日目のコントもとても面白くて好きだった。トキさんが袖にはけて喋る内容が笑いどころになっているので、舞台上の見た目がかなり地味だったから、決勝には行かなそうかな、と思った。舞台上での田崎さんの反応もリアリティがあってすごく面白かった。

全体の感想

準決勝に進んだ組が、2日間で計2本のコントを行うという形式は初めてだったけど、こうして見てみると、2本とも準々決勝を勝ち抜けるレベルのコントだったという組は少なかったと思う。1日目の平均点が85点だとしたら、2日目の平均点は70点くらいの感じだった。2日間ともにしっかりうけた組が決勝に進んだという感じがした。

決勝に進んだ組以外で2本とも割と面白い印象だったのは、アイロンヘッド、チョコレートプラネット、ななまがり、ラバーガールでした。

かもめんたるは、やっぱり他にはない面白さがあって貴重だと思ったけど、過去のかもめんたるの4分のコントと比べると物足りない感じもした。

ジャングルポケットは、1日目のコントはうけていた。私はこのトリオのみなさんはタレントとして好感を持っているけど、コントはなんだか過去の時代のコントみたいで、ワクワクしない。言葉選びも馬鹿さ加減も展開も、胸を打つものが何もない。表現の切実さを感じない。決勝ではうけそうだと思う。でも2回戦と準々決勝で見た我が家のコントと比べたらジャングルポケット知名度もあるのに真面目にコントに向き合ってるように思った。

ゾフィーとにゃんこスターという二組のフリーのコンビが勝ち進んだことが、今年のキングオブコント決勝進出者選定に対する絶大な好感度を生んでいるように思う。もちろん二組とも二日間ともに面白かった。決勝の舞台で観客がどんな反応をするのか怖くもあり楽しみでもある。

決勝進出者の発表はオリコンニュースの速報で見ていたのだけど、当然今年こそ進出するだろうと思っていたGAG少年楽団が最後の1組で発表されたので、ずっと生きた心地がしなかった。去年、一昨年と、準決勝の舞台でこれでもかとうけていたのになぜか進めていなかった。まさか今年も2本ともパーフェクトなウケ方をしてもなお進めないのかと最後まで顔を青くして待っていた。去年、一昨年と運良く赤坂ブリッツで発表を観ていたのだけど、せっかくならその2回の運は今年使って、今年こそ生で発表を観たかった。本当に決勝に進出できてよかった。

パーパーは、今年は決勝に行きそうだなと思っていた。コントがとにかく面白い。ほしのディスコさん売れてほしい。

ラバーガールは、2本とも面白かったけど、いつものラバーガールのイメージをあまり越えてこなかったのかもしれない。でもラバーガール、大水さんの奔放さに説得力が生まれてきてる気がする。大水さんの飄々とした面白さが突き抜ける瞬間が今後来そうな気もする。

決勝に進んだ組に特に異論はなし。

決勝について

準決勝まではライブシーンの熱気がそのまま。決勝ではテレビの価値観で裁断を下される。というキングオブコントも2度経て、そういうものかと思い始めた。今年はどうなるか楽しみです。GAG少年楽団優勝してほしい。

キングオブコント2017 準々決勝

キングオブコントの準々決勝を2日とも(8月14日、15日)観ました。

 

うしろシティ、ななまがり、しずる、スリムクラブ、や団、GAG少年楽団さらば青春の光が特に面白かった。

スリムクラブのコント、初めて観たような気がするけど、漫才でのあの間やテンポがコントだと一層リアルな戸惑いの間になっててすごく好きな感じのやりとりだった。めっちゃ面白かった〜 ボケ1個1個もめっちゃ良かった。

GAGは今年こそ決勝で観たい。

や団とさらば青春の光は、どちらも何度も観たネタのはずなのに新鮮に面白いなって思い直した。

 

パーパーは、準々決勝はめちゃくちゃ受けてるとかじゃなかったと思うけど、準決勝&決勝で観たい。

 

大阪の準々決勝は見に行けないけど、藤崎マーケットチョップリンは準決勝で観たい。

2017年4月下旬〜7月末までに観たもの(抜粋)

4月26日 さらば青春の光会心の一撃』(あうるすぽっと)

どのコントも面白かった。キングオブコントの決勝に行きそう。医学部のコントが印象的。 

4月30日 性格の悪いネタをするライブ(よしもと∞ホール)

ペコリーノというコンビを知った。面白かった。ニューヨークの漫才がすごくノッてて面白かった。

5月20日 チョップリン単独ライブ『断る。』(新宿角座

この日は、チョップリンの単独ライブが開催されると告知される前に、和牛の単独ライブのチケットを買っていた。抽選でせっかく当たった人気の和牛の公演だったにもかかわらず、断腸の思いでチョップリンの単独を優先した。(やっぱりコントが好きなので。)すべてのコントが面白かった。上手天井から吊るされた地球が僅かな明かりで照らされ、西野さんのナレーションで宇宙から地球の出来事を俯瞰して語るコントが面白かった。あまりに自由だった。最後の囚人である小林さんが狐のお面を被っている摩訶不思議なコントもめちゃくちゃ面白かった。両方とも、ただ自分たちの「面白い」の実現のために作られたコント。潔くて格好良さすら感じた。小林さんの得体の知れなさに拍車がかかっていました。 

5月27日 ルシファー吉岡単独ライブ『Hard Novels』(シアターモリエール

ルシファー吉岡さん、すごく丁寧なコント作りをされている。面白かった。

5月28日 テニスコート・フォルト⑤(中野RAFT)

動物園のコント(2本とも)がめちゃくちゃ面白い。

6月3日 フロム・ニューヨーク『そろそろセカンドバッグ』(OFF・OFFシアター)

終始面白かった。けどなにも覚えていない。台本読みたい。めちゃくちゃ面白かった。こんな会話劇ができるなんてすごい。素晴らしすぎて絶句。

7月5日  劇団かもめんたる『ピンクスカイ』(駅前劇場)

シーン単位の面白さは前回のゴーヤの門の方が面白かった気がした。今回のは、ゴーヤの門よりも1つの芝居としてきれいな構成で器用になっていた気がするけどシーンの強烈さは少なかった。どの役も俳優がとてもよかった。長田奈麻さんと石田剛太さんの安心感とパワーが発揮されていた。この団体の軸になっていた。その分?というわけでもないけど槙尾さんの面白いシーンが少なかった。なんだか縁の下の力持ちだった。槙尾さんの活躍ももっと観たい。旅館のお兄ちゃん役の土屋翔さんという方、受け流しの演技がすごく自然で嫌味がなかった。みんな魅力的に見えた。また次回も楽しみ。

7月16日 しずる単独ライブ『SCORPION SLASH』(キンケロシアター)

しずる、演技の熱量が高い。高い値をずっと維持し続けている。それだけで生で観た価値を感じさせる高級感がある。どのコントも面白かった。プレゼン直前のコントが好き。こんなことを本人たちは思ってなさそうだし言われるのも恥ずかしいのじゃないかと思うのだけど、社会風刺を感じる。毎年夏のしずるの単独ライブは絶対ハズレがなくて全部面白い。1本1本のコントが長めなのも見ごたえがあって好き。単に長ければ好ましいという意味ではなくて、必然的な必要な長さなのがいいです。

7月26日 ナカゴー『ていで』(浅草九劇)

東葛スポーツ主宰の金山さんの演技が魅力的。ずっと観ていたい。