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キングオブコント2016決勝の感想

昨年は、決勝のスタジオの雰囲気が緊張感で溢れていてとても笑うという雰囲気に思えなくて、テレビ越しに観ていて地獄のようだったけど、今年は去年に比べて、和やかで楽しい様子になっていたように思った。でも、2014年までのキングオブコントの決勝とは全然違うものになったのだなぁと改めて思った。

2014年までは、セミファイナリストたちが審査員として客席にいたので、二層の反応があった。コントの作り手の反応と、一般の観客の反応。昨年からは、セミファイナリストたちが客席にいないので、一般の観客の反応しかない。今年は特に、コントの内容が不気味だったり、異常な台詞を放ったりすると、観客から悲鳴が上がるのが目立った。コントは、笑いがなければその使命を全うしないので、その時それを観ている観客が笑わなければ意味がない。それは芸人自身は百も承知で、だから「営業ネタ」という呼称のネタがあるのだろう。キングオブコントの観客は「営業ネタ」向きの観客に寄ったと思った。しかし、これが”一般の観客”なのか…受け入れがたいけれど、これがテレビの求める観客なのだろう。審査員の松本さんが、付けた得点についてのコメントを求められたシーンで度々「うけてた」かどうかに言及する場面があった。スタジオにいる、この観客にうけること、それがこの番組、2015年以降のキングオブコントの評価の基準なのだ。

日々、現役でコントを作り続けているセミファイナリストたち自身が面白いと思うコントが選ばれるキングオブコントはもうなくなった。

準決勝を二日間観に行っていて、決勝に進んだ10組の選出は、実際に観た体感と大きく相違なかった。(準決勝を見に来る観客と決勝でスタジオにいる観客とは、全然ちがう。決勝の観客と準決勝の観客では準決勝の観客の方がこれまでのセミファイナリストの反応に近いと思う。)ライスの優勝も本当に良かった。でも、これだけ延々と述べる腑に落ちなさは、「もっと面白いはずなのに」という、全然響かない観客の反応への不満。

セカンドステージでのジャングルポケットとライスの点数について、設楽さん以外の審査員は、二組の点差を1点にとどめ、松本さん、大竹さんはジャングルポケットに、日村さん、三村さんはライスに軍配を上げていた。設楽さんだけが、ジャングルポケット88点、ライス94点という6点差をつけた。設楽さん以外の4名は、自分の好みを消極的に表しどちらが優勝であるかは5人の合計点に任せ、設楽さんは個人の評価を積極的に点数に表した、というように見える。ライスは2本とも面白かった。ライスが優勝して、本当に良かった。

しずるの出演順がライスと逆だったら、しずるが優勝していただろうと思った。これに関しては不運だと思った。一組目が出る前に、前説とは別に、過去の優勝者によるエキシビジョンが2本くらいあれば多少不運が解消されるのでは、と夢のようなことを思った。ラブレターズも後半だったら順位はもっと違っただろう。もし、なんてのは言ったって意味が無いけど。それより、それこそ、ラブレターズはスタジオでうけていたのに、うけていなかったような印象になっているのは納得いかないなぁ。かもめんたるが2本目を披露することになった時、「もうこの場所でかもめんたるはうけないな。」と思ってしまった。かもめんたるの2本のコントは、誰よりも独創的で唯一無二で一番面白かった。かもめんたるのコントの面白さが共有できない観客に幻滅した。かもめんたるのコントが元々好きだけど、だからといって、かもめんたるの、または他の特定の誰かの優勝を願っていたわけではない。ただ、それぞれの面白さが響かないこのキングオブコントに熱狂できなかった。

セカンドステージに進んだジャングルポケットタイムマシーン3号のコントがとにかく好みに合わなかった。古臭くて手垢のついた茶番劇だと思ってしまった。タイムマシーン3号の1本目のコントは、準決勝でやってたオチと変わっていた。準決勝では、後半、関が周りの人間を次々に小銭に変え、山本も小銭に変えられそうになるが、山本は持っていた鏡に反射して小銭になることから免れ、一方、関自身が小銭になってしまう。このシニカルさが良かったけど。オチで石貨が出てくるのはダサかった。

もう、これまでのキングオブコントに幻想を抱くのは今年でやめてしまおうと思うので(本来去年で諦めるべきところを、こんなにも未練がましく綴ってしまった…)、キングオブコント2016は、なんとかDVDになって、2015も今更でもいいのでどうにかしてDVDになって、DISK2には準決勝のコントを収めてほしいな。