2018年1月〜2月中旬までに観たもの(抜粋)

なにか一言残しておきたいものだけ抜粋
1月6日 ななまがり単独ライブ「まがりコメディ」(ルミネtheよしもと

幕間の映像があるとは言え、コントばかり連続で2時間超え(予定を大幅に超過したらしい)、頭がおかしくなるかと思った。もっと短くてもいいと思ったけど、ここまでやられてしまえば身を委ねるしかない。イントロ早押しクイズのコントが一番好きだった。

1月11日ザ・ギース単独ライブ『果てしなきガム』(ザ・スズナリ

スズナリでの公演、ということが快挙だと思う。ザ・ギースの単独ライブとしては、過去の「ロイヤルストレートフラッシュバック」とかの方が面白かったとは思う。これからも公演としての価値の高いものを継続して作ってほしいな、とファンとして思う。

1月17日ロロ『マジカルファミリー肉じゃがツアー』(KAAT大スタジオ)

ロロにはやはり白旗挙げてしまう。

1月26日卯月単独『そうですか』(関交協ハーモニックホール)

卯月のことが、単独を観ながら、急激に好きになった。もはやただのファン。最初に2人で始まって、3人目が登場するポイントがすごくセンスがいいなと思う。コンビではできない、3人目登場からの展開のしかた、トリオならではの面白さがある。笑いどころの感じもちょっとナンセンスめいていて好みだ。人力舎を担う若手だなと思った。やっぱりコントの人力舎

1月27日テアトロコント特別編 2010年代結成ユニット特集!(ユーロライブ)

ガクヅケというコンビが、才能に溢れていて恐ろしかった。なんてキャッチーで独特!ガクヅケを観に、お笑いライブに行こうと思った。観たことがないものを観せてくれる、という最強の観に行く理由がある。

2月2日バカ爆走! 人力コントの日!!(新宿ミニホールFu-)

吉住さんというピン芸人さんが面白かった。卯月もトンツカタンもロマン峠も面白い人力舎はやっぱりコントファンにはたまらないと思った。

2月3日ゾフィー第4回単独ライブ「TeHe」(ユーロライブ)

ゾフィーの新しい一面が満載の単独ライブ、2018年が飛躍の年になると思った。コントがとにかく面白いし、公演全体をデザインする意識が行き届いていてクオリティが高い。

2月4日劇かもめんたる第四回公演「尾も白くなる冬」(赤坂レッドシアター)

かもめんたるのう大さんのことを作家としてめちゃくちゃ信頼しているからこそ、なんだか辛口な感想が出てきてしまう。第一回目から比べると格段に観やすい構成やシーンはこびになっているとは思うものの、ただただ技術として上手くなるだけの演劇をかもめんたるに期待しているわけではないのだ…。もっと、観たことがない、かもめんたるのコントで表現されているような、切実で誠実な狂気、というか、リアリティある常識外れの心情、そういうものを期待してしまう。コントではそこの表現に格好良さがあるものの、演劇で表現するとなると途端にダサくなるのはなぜか。演劇としての表現が洗練されていないからというのも1つの理由だろう。ラストにいわゆるいいシーン的なものが挟まることも不要だと感じる。(もしもう大さんがそのシーンを表現することに意味をかんじているのならお門違いの感想であるが。)人間のどうしょうもない性のような、情念のようなものは、「いいシーン」として結実しなければいけないのか?かもめんたるのコントでは、「いいシーン」として描かれなくても、確実にそういった人間味が現れていたのでは?と思う。「いいシーン」でありきたりな、中心人物にピンスポ強めみたいな照明変化をするのも演劇的にダサい。脚本だけじゃなく、演出も、かもめんたるなら、もっと鋭利で格好よくあってほしい。もしかすると今が過渡期なのかもしれない。ここを越えて飛躍的な伸び方をするのかも。YouTuberを馬鹿にするシーンがちょっと個人的に物足りなかった。馬鹿にされているYouTuberは、ああやって"群れて"馬鹿にしてくる人たちを、動画におさめてさらに1つ上のマウントを取るくらい客観的な意地悪さがほしかったようにも思う…。

2月7日ライジングオレンジ(新宿ミニホールFu-)

かが屋というコンビがとにかく面白かった。昨年のキングオブコントの準々決勝で観て、作られた空気感が印象的だったけど、このたび改めて生でコントを観て、面白さを確信した。すぐに、3月末の単独ライブのチケットを購入した。すでに結構な売れ行きらしい。人気が出そうな、というか、すぐにコントで定評を得そうなコンビだと思った。コントの未来が明るいと思った。それにしても、マセキ芸能社さんにはコントが面白いユニットが多くて畏敬の念すら抱く。マセキの事務所ライブには初めて足を運んだけど、この「ライジングオレンジ」では、ガクヅケとかが屋という今をときめく(主観)二組が鎬を削っているのかと思うと激アツすぎる。しかもその二組というのは、同じコントでありながら全く個性が相反している。かが屋はオーソドックスな会話劇のコント。演劇とも相性が良さそうだ。

2月10日月刊太福マガジン(ユーロライブ)

玉川太福さんという浪曲師はめちゃくちゃ面白い。まもなく見つかると思う。(もうすでに見つかっている?)太福さんの創作浪曲は、沖田修一監督の映画のような、五反田団・前田司郎さんの劇作のような、そういう面白さ。

2月11日勝手にふるえてろヒューマントラストシネマ渋谷

どこにでもある共有可能なこじらせをここまで切実に丁寧に描いたものはあんまり観たことがなかったので、とても好印象だった。(映画をあまり観ないので客観性は無いが。)松岡茉優さんは演技力が高いな。渡辺大知さんの全然格好ついてないけど人間的には好感しかないタイプの男の造形もとてもよかった。

2月14日予兆 名絵画探偵3(BlanClass)

観たことがないタイプの面白さだった。センスが溢れていた。知らない世界がまだまだあると痛感した。

2月15日フロム・ニューヨーク「サソリ退治に使う棒」(駅前劇場)

テニスコートが客演している。最初のシーンで、吉増裕士さんがそのしっかりした強い声で発したセリフが駅前劇場に響いた時から、劇世界に引き込まれたな、という実感があった。フロム・ニューヨークのお三方と吉増さんが手練の役者であることは疑いがないけど、客演していたテニスコートの三名もとても良かった。テニスコートの神谷さんは今後役者としても充分やっていけそうなオールラウンダー加減だった。テニスコートの吉田さんは、個性的なハンサムさと演技が、今回の役どころにとてもはまっていて、観客の好感を集めていたように思う。テニスコートの小出さんは、持ち前の滋味溢れる愛嬌が遺憾なく発揮されていました。物語の筋はというと、これこそが演劇界での笑いの"ストイックさ"なのではと思うほど、ナンセンスに次ぐナンセンスで、ナンセンス以外はなにももたらさないという尖りの境地だと思いました。