2017年2月〜4月半ばまでに観たもの(抜粋)

全然更新してなかった。2017年2月〜4月半ばに観たもののうち一言書いとくもの。

2月1日 深田晃司監督『淵に立つ』

最近、少しずつ映画を見るようになった。月に1本くらい。家でDVDを見るのが苦手なので、映画館で見ている。なんかの記事で読んだけど、月に1本映画館で映画を見るだけでも、割と見てる方の層になるとか。月に1本って、少ないような感じがするけど。『淵に立つ』面白かった。次から次に、ちょうどいい速度で新しい情報がわかっていって、目が離せなかった。

2月3日 しずる単独ライブ『SHIZZLE IN JAPAN FES』

ルミネtheよしもとでの、しずる単独ライブ。このフェスめいた雰囲気の単独と、夏に複数回公演する形式の単独と二本立てにするらしい。この公演の作・演出は、村上純。パロディっぽいもの(リッツとルヴァンのコント)とか、反復の多いもの(プールのコント)とか、メタっぽいもの(遭難のコント)とか、仕組みに特徴のあるのが村上さんのコントの個性のようだ。

2月5日 東葛スポーツ『東京オリンピック

洒落ている。次回はいつだろう。楽しみ。

2月5日 かもめんたる単独ライブ『ノーアラームの眠り』

めちゃくちゃ面白かった。今年もきっとかもめんたるの単独ライブが1年観たものの中で一番面白い公演になるのだろう。フードファイターとその妻のコントが好きだった。演技の熱量と説得力がすごい。「迫真」という言葉そのもの。監督のコントは、会話がなされる場そのものの再現のリアリティがあった。好きな感じの会話劇だった。どのコントも全部が面白い。習作が一つもない、全て珠玉、みたいな公演。

2月9日 庭劇団ペニノ『ダークマスター』

これもすごく面白かった。定食屋が舞台。最初のシーンで、舞台上のキッチンでオムライスを作って出すシーンがあって、本当に見事にオムライスが作られて出てきて息を飲んだ。予約したつもりだったけど、予約していなくて、当日券も3回チャレンジして3回目で観られた。(しかし、2時間と20分(くらい)、アゴラの椅子は辛かった。お尻痛すぎた。正直面白くても早く終わってほしいとちょっと思った。)

2月23日 本田まさゆき主催「僕と仲良くして下さい」

すっきりソングを観てみたくて行った。このコンビの歪な関係性にハマる人は多そう。二人の関係性の進行は物語のようで、つまりそれは物語の途中を覗いているようだった。

追記:その物語っぽさ、バディものみたいな感じだった。「SHERLOCK」とか、アニメの「TIGER&BUNNY」みたいな。バディもの、つまり「対照的なキャラクター2人組が難題に立ち向かう」ドラマがあるということ。あとお笑いコンビの前例で言うとオリエンタルラジオが現在進行系のドラマを綴っている。オリエンタルラジオのドラマっぽさといったらない。長尺物で今シーズン6くらい?

2月26日 ブラナー・シアター・ライブ『冬物語

めちゃくちゃ面白かった。老人アンティゴナスが赤子のパーディタを捨てるシーンがめっちゃかっこよかった。「冬物語」は読んだこともなく、あらすじも知らなかった。唐突な時間経過と妻が生きているという展開に驚いた。

2月26日 山内ケンジ監督『At the terrace テラスにて』

面白かった。岡部たかしさんの弱い人っぷりが良かった。古屋隆太さんの色気。岩谷健二さんのおとぼけぶり。全員のファンになる。山内ケンジさんの作品が好き。

3月20日 玉田企画『少年期の脳みそ』

初演も観ているけど、津田(大山雄史さん)と手塚(由かほるさん)のかけあいが楽しい。丁寧な会話劇。6月の新作公演にも期待が高まる。

3月22日 鳥公園『ヨブ呼んでるよ』

とても面白かった。一度に一人が喋る台詞が多い(というのは一緒に行った人と話していて気づいたことだけど)、モノローグっぽい台詞にもかかわらず、とても会話劇のように観られた。というのは、喋らない、話を聞いている相手側にも、生理的な反応があって、それがきちんと舞台上にあるからだと思った。題材も興味が湧いた。

3月23日 インディアンス単独ライブ『東京だよ!おっかさん!』

めちゃくちゃ笑った。お笑い観てこんなに笑うかなっていうくらい笑った。家族や親しい友達との話のなかで最上級におかしい出来事の話のときくらい笑った。息ができなくて苦しいタイミングすらあった。そういう、「親しみ」というファクターがなければ陥らないレベルのおかしさがあった。これ、どう面白かったのか、人に伝えるのは難しいと思った。「ただ、楽しい」とだけ伝えたい。なにも難しい題材はなく、ただただ、舞台上にいる田淵さんと木村さんのやりとりがおかしかった。

3月30日 ほりぶん『得て』

とにかく俳優の演技がすごい。映像の中とかけあいの演技をするのだけど、あたかも生で共演しているかのようなやりとり。面白かった。

4月5日 シソンヌライブ『six』

同居のコントが面白かった。じろうと長谷川が同居しているが、長谷川がいつしか働かなくなり喋らなくなり家から出なくなり、じろうが長谷川に、今日こそなんとかしろなんか言え、と怒るシーンから始まるのだけど、この怒るシーンが、緊張感が高くて面白かった。いわゆるお笑いのコントではなかなかみないような、とても演劇的なシーンだと思った。この怒るシーン、体感の尺も結構長かった。そして「フリ」っぽくなく、ちゃんとひとつの説得力のあるシーンだった。結果それは「フリ」として機能しているのだけど。

4月10日 黒澤明監督『乱』

「4Kデジタル修復」とやらでやっていたので、映画館で観た。映画をほとんど観ていないので、黒澤明も初めて観た。めちゃくちゃ面白かった。特に、戦国時代は好きなので、そういった意味でも楽しんだ。冒頭のシーンは毛利元就の三子教訓状を題材にしているのも、毛利氏が好きなので楽しかった。長男が、「自分の命より父が長生きを願う」みたいなことを言っていたのも、毛利隆元の俗説かなんかで聞いたことがあるような気がする。途中色々な城が出てきた。姫路城は姫路城であるという主張が強かった。作り物っぽい城が出てきたな、と思ったらその城は燃えた。そうか、燃やすために本物の城じゃなかったのか…と思った。騎馬隊の動きが統制がとれていてすごい。こんなに馬がたくさん出るとは。歩兵の数もすごい。落馬にひやひやした。一文字秀虎が流浪し、すぐ走って逃げる。冷静になったり、半狂乱になったり。仲代達矢に愛嬌を感じた。ほかの黒澤明も観たい。自分の知らない面白いものがまだこんなにたくさんあるのだと思うと人生楽しいなぁと思う。映画館で観たい。

4月12日 鉄割アルバトロスケット『鉄寿』

面白くてかっこよかった。普段観ているコントって、演劇ってなんなんだろう?自由なようでいて、不自由だった、ということに気づいてしまう。なんて小さな枠の中で良し悪しを考えていたのだろう…と思ってしまった。こういう上演と、お笑いのコントと演劇とがもっともっとシームレスになってもっと混沌としたジャンルになったらいいなぁ。

4月21日 犬の心『犬の心の60の1』

60分のコント。60分もあると、演劇じゃないか、と思うけど、割とコントだった。というのは、その場その場の笑いをつないだものが結果60分に達した、というものだったから。それがコント的だと思った。演劇的な60分として見るには、もう少しうまく出来事が起こり、何かが判明し、いわゆる伏線的なものがあり、立場・感情・関係が変化するなど、60分という時間ならではの流れを期待したくなる。そういうものはなかったけど、でも結構面白かった。笑いはそのままの量で、60分ならではの演劇的な方向に強化されたらもっと面白いだろうと思う。それにしても犬の心は素晴らしいコントの人たち。こんなに素晴らしいコントの活動をしている彼らにもっと光があたってほしい。

4月23日 GAG少年楽団単独ライブ『SWEET BOYS』

めっちゃ面白かった。行ってよかった。2本目の猫を探すコントがすごかった。最初、滑り気味なコントがはじまるのかと思って冷や冷やしたのが一転、ものすごい単純でバカバカしい展開になり、不条理すぎて面白かった。と、言葉で説明してもなにもわかってもらえる気がしない。最後の、幼馴染の青春時代をおじさんになっても続けてしまうコントが面白かった。すごくGAG少年楽団っぽかったし、年齢のもう若くないという感じが、染み込んでいてよかった。オープニング映像が、近藤真彦ハイティーン・ブギ(音に関する記憶が壊滅的に悪いので違うかも。でも近藤真彦ではあったと思う。)が流れつつ、これまでの3人の古い写真などがスライド的に展開するものだった。GAG少年楽団は、すごく懐メロが合う。なんかどこかダサくて、でも憎めなくて楽しげな雰囲気の、懐かしいアイドルの曲が、個人的にすごく合う気がしている。格好つけてみたけど、格好ついてない、みたいな。どのコントもすごく面白かった。コントでの福井さんのツッコミ台詞面白いものばかり。GAG少年楽団の、この80年代ジャンプギャグ漫画みたいな、ダサいけど愛嬌があってバカみたいな面白さに注目があたってほしい。トリオで揃いのスーツめいた衣裳なのも、変で絶妙にダサくてもはやかっこいいし。